私には二つの目標がある。
古き良き文化と技術を追求し,メンズウェアに明確で理解しやすいフレンチスタイルを提案することと、フランスのオートクチュールという特別な技術を用いて、世界で最も美しいカジュアルジャケットを提供することと語ってくれた。ベルギー人デザイナー「Lutays」ジャン• バティスタさんである。
「Lutays」という名前は、パリの元の名前である「Lutèce」という名前を現代的に書いたものに由来している。 「ルテス」と「パリ」は「江戸」と「東京」のようなものだと。なるほど、ブランドネームからもコンセプトが汲み取れる。
エレガンスに満ちた古き良き "made in France"を愛し、今この時代に真のフランスらしさを蘇らせるとゆう強いテーマを持っているブランドだ。
まだ歴史は浅く日本でも取り扱いがなかったのですが、その道から溢れる洋服に魅せられ、虜になっていた。1年程前にこちらの新店舗「Q」の話が決まった時点で是が非でも扱いたかったメゾンである。
写真から伝わる品の良さ、古き良き日のフレンチ感、洗練されたディティール、直ぐに着たい。なかなかここまでブランド感にすぐに惚れることなどそうあるもんではない。久々に見た。そんなインパクトだった。
現状顧客はパリの工房でサンプルを見ながら素材を選びオーダーするスタイルで、型数は全5型程と多くない。その少なさにもそれに対する凝縮感が窺え作り手の熱量を感じる。シーズン等は無くテーラーのそれと同じだ。
正直全ての型が欲しい。そこから削るのも一苦労した、春素材でと思うものを楽しみとして置いておこうと我に言い聞かせ我慢した。
そして今回オーダーしたのはまずこちら、第一次世界大戦中のフランスの飛行士にちなんで名付けられた「ACE」というジャケット。最高のパイロットの中でも最もエリートを「エース」と呼ばれていたことから名付けられた。デザインは非常にエレガントな彼らの美しいジャケットへのオマージュだと。またその形容をthe "hourglass" silhouetteと応えた。アワーグラスシルエット”砂時計”だ。ミリタリーの解釈を彼が紐解くとこうもエレガンスで美しいものになるのかと感心してしまう。
彼が用意したフランスで織られた最高級のグレーとデニムブルーのバラテア生地を特別にエクスクルーシブとして用意してもらった。パーツ類ももちろん妥協など無である。シルエットなど何時も拘りで特別にオーダーさせてもらう事が多いのだが、ここまで拘り抜いた姿勢で向き合っているメゾンなので、この五型に辿り着くまでの長い過程は直ぐに解った。オートクチュールで築き上げられた潔癖なまでのディテールの拘りと各パーツのバランス。正直タイトである、久々な感もある。しかしここは変にお願いすると根本からバランスアウトし兼ねない。まずこの完成された”作品”に身を任せ、彼の定義を纏い着こなすのが美しいと。そう思わせてくれる洋服だと思った。
着てみた感想は、知ってはいたが、少しオーバーに慣れすぎてたのもありハイアームホールが食い込む感じ、こうゆうのは戒めと新しさも込めありがたい。おかわり!
すごく長くなりそうなのでまず一型目で区切らせてもらう。元々こちら新店舗のオープンが10月だったのもあり、またコロナでオープンが1ヶ月伸びて余裕をブッこいていましたが、ご存知の通りパリが度重なるロックダウンにより、こちらが到着したのは実は昨日、、正直本当に終わったと思った。絶対、オープンに必要なピースだったので、お見せ出来る事ができて本当によかったと思う。是非楽しみにして欲しい。
大変な中、製作にデリバリーにと尽力を尽くしてくれたジャン氏には本当頭が上がらない。感謝。
Q retailor,