Mr.モードからのお誘い



先月の”108”期間中、渋谷PARCOに一本の電話があったと翌日責任者から伝えられました。今回の催事に対してのお褒めの言葉を頂き、またそのような事は普段無いので館が震えましたと。


その方は業界では誰もが知る、UAの創立メンバーであり上級顧問/クリエイティブディレクター、またそれ以外でも多方面にご活躍なされ、日本のファッション界を長い間牽引されて来られている、栗野宏文さんでした。

昨年、心斎橋parcoオープンしてから直ぐにUAの新店舗もあり、ご来館され、その際にもQに注目してお立ち寄り頂き色々なお話とお褒めの言葉を頂いておりました。


今回、108にお立ち寄り頂き私は初めてお話させて頂いたのですが、感じた事はやはり生粋の現場人であり、40年以上、現場の最前線で自ら業界を見て体験されて来られた氏のお言葉は重く、我々洋服人の心を奮わせ、掴む力がありました。あと当たり前ですが、洋服(モノ)、ファッション、どちらもが凄く好きなんだと。それがビシビシ伝わる。歳を重ねてもこれをリアルに感じれる現場人は限られた方しかいないと思います。


電話の内容に戻りますと、108のお褒めの言葉とは別件で自分の仕事を手伝って欲しいとの依頼のお話でした。
ご自身がUAとは別に今年立ち上げられた新会社が行うイヴェントを手伝って欲しいとの事でした。正直、断る術はありません。内容は分かりませんが二つ返事をしました。


後日、心が熱くなるメールと共に、内容が明らかになったのですが、氏が活動されているFACE A-J(fashion and culture exchange.Africa-Japan)とゆう数年前からアフリカと日本のファッションを紡ぐイヴェントの参加依頼でした。著書  ”モード後の世界” でも書かれておられましたが、幾多のファッションの世界を体験されて来られた栗野さんが、新しいファッションの息吹をアフリカに焦点を置き活動されているとても素敵な活動です。


来る9月3日、楽天ファッションウィークにおいてFACE A-Jよりアフリカのブランド”MAXHOSA “とゆうブランドを招待してインスタレーションを行います。同時にFACE A-Jとして同ブランドのポップアップショップを2週間弱行います。そこでは、アフリカのカルチャーを伝える音楽、本、写真、のスペシャリティショップが集います。その中でアパレルとしてMAXHOSAと共に、Q+弊社系列店舗としてポップアップショップを行って欲しいとの事でした。勿論弊社としてアフリカ人のブランドは以前から、クリエーションの部分で引っかかれば取り扱いをしておりました。が、アフリカが好きでアフリカのカルチャーを押し出すような提案はしておりません、、ただ氏に訊ねるとそれは関係ないです。好きにやってくれたらいい!と仰って頂きました。えーって感じですが、弊社の根底にあるカルチャーとクリエイティビティに可能性を感じて頂いたみたいで、その2点を出してくれれば良いと。


数あるお店、人からQと108を見てご決断して頂いたのは直ぐに解ったので、賛否両論(基本、社のスタンスとして催事は行いません)はございますが、関連会社のテイストもミックスしつつ 「Q/goffa group 」としてFACE A-Jでのポップアップのアパレルを受け持つ事に致しました。


氏が活動されているとても重要なFACE-AJのアパレルを任せられる訳ですから責任重大です、ただ他社でありながら現場を最前線で長い間見てこられた氏とお仕事をご一緒に出来るのは私、会社の経験としても計り知れないものがございます。ギャルソン、ヨウジをファーストショーからご覧になられ、90年代からドリスももう30年近くランウェイを見てこられている。90年代のマルジェラ唯一の日本でのショーも取り仕切られ、エディとクリスをセッティングされた事実は歴史を動かした事件ですよね。本当に言い出せばキリが無いご経験をされて来られています。現在でも、弊社他店舗で扱っている、名前も誰も知らないであろう新鋭デザイナーのショーでも日本人が私達の会社だけかと思って見渡すと栗野氏がいらっしゃるとゆう事がありました。失礼ですが、どこまでストイックなんだと、、
著書をご覧になられた方はお分かりになられると思いますが、生涯、少しでも良い販売員を目指す中で他の活動をされていると。これはとても胸に刺さりました。アントワープ王立芸術アカデミーファッション科の卒業審査員のご経験、多面に渡る執筆活動など誰もが出来ない立派なご経験をされても怠慢される事なく、少しでもお客様にとって喜んで頂ける販売員になる為の過程だと。


先日、栗野さんがQにお越し下さりミーティングをさせて頂きました。求められるのは 「クラフト感とクリエイティビティ」だと。あと私と仕事する上で、ファッションに硬いイメージがあり、セオリーを意識してちゃんとしないといけない。と思われるかも知れないが、”UAの栗野は捨てて下さい。” と仰りました。108をご覧になられた上での決断ですので解るのですが、あれはスーパーミックスなのでね。しかし難しい。。


現段階で、音楽(disk union)も本(twelve books)も写真も名だたるお店さんに監修して頂くポップアップで配置や内装もギャルソンのショー等を長く携われてこられた金子氏が行います。本当に凄く良い内容になると思いますので是非楽しみにしていて下さい。

あとそうだ、そこに販売員として立つのは、うちのチームとなんと栗野さんのチームです。当のご本人はdistrictのディレクターであり、年に一度正月の初売りのみ立たれる氏が、なんとお立ちになられます。。あとUA卒業生とギャルソン卒業生など関わりある方達との混合チーム。


長くなって申し訳ないですが、ファッションをモードと捉え、時代を渡り、育んでこられた栗野氏が作られる世界は必ず一見の価値があります。是非皆様体験しにお越し下さいませ。


期間は、もう直ぐですね。。前回から間もないですが、Qベースでまた違った内容、編集での催事を目指しますので、どうぞ宜しくお願いします。また、この情勢化ですので中止、延期もありえるかもしれません。



9/3(金)〜9/15(水)  訂正9/4(土)〜9/15(水)
渋谷PARCO1F “The window”




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